障害者手帳は、大人だけでなく子供にも大きなメリットがあります。
特に、子供が障害を抱えている場合、日常生活の中でさまざまな困りごとが出てくることがあります。
そのようなとき、障害者手帳を持つことで受けられるサポートが多く、家庭全体の安心感につながります。
この記事では、子供が障害者手帳を持つことで、どんな支援を受けられるのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。
障害者手帳とは？
障害者手帳とは、身体障害、知的障害、精神障害などがあると医師に診断された人が、市区町村などの自治体に申請して取得できる公的な証明書です。障害の種類によって、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」といった種類があります。 年齢に制限はなく、子供でも医師の診断と必要書類を揃えれば申請可能です。
子供が障害者手帳を持つことで得られるメリット
【1】医療費の助成が受けられる
地域によって違いはありますが、多くの自治体では、通院や入院にかかる医療費の自己負担分を軽減したり、全額助成される制度があります。 この制度により、定期的な通院が必要な子供にとって、家計への負担が大きく軽減されます。
例：医療機関での支払いが無料になる、または月額上限が設けられるなどの支援があります。
病院にかかるたびに発生する費用が抑えられることで、早めの受診や治療をためらわずに済むようになります。
【2】学校や学習のサポートが受けられる
特別支援学級に通うことができたり、通常学級に在籍しながら特別なサポートを受ける「通級指導教室」を利用できるようになります。 また、学校と家庭が連携して「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を立てることも可能になります。
教育現場での配慮や、支援員の配置など、子供に合わせた学習環境が整いやすくなります。
子供が学校でのびのびと過ごせるための支援が受けやすくなることも、大きなポイントです。
【3】交通機関の割引が使える
障害者手帳を持っていると、電車やバスなどの公共交通機関を割引料金で利用できることがあります。 自治体によっては、移動支援や送迎サービスなどもあわせて利用できる場合もあります。
たとえば、JRの運賃が半額になる、市営バスが無料になるといった地域もあります。
家族で外出する際や、医療機関への通院、療育施設への移動など、日々の暮らしの中で役立ちます。
【4】福祉サービスが利用できる
障害児向けの「放課後等デイサービス」や「児童発達支援」「ショートステイ」などの福祉サービスが利用できるようになります。 これにより、親御さんが安心して仕事や家事をすることができる時間が増え、子育ての負担を減らすことにもつながります。
専門スタッフと関わることで、子供自身の成長や社会性の発達にも良い影響があります。
家庭だけで抱え込まず、地域や専門機関の力を借りられるのは、大きな心の支えになります。
【5】将来の準備につながる
障害者手帳を持っていることで、将来的に受けられる福祉制度や就労支援、手当の申請がスムーズになります。 早い段階で制度の仕組みを理解し、利用できるサービスを知っておくことで、進学や就職といったライフステージごとの準備がしやすくなります。
例：特別支援学校への進学、就労移行支援の利用、障害基礎年金の申請などにつながることがあります。
長い目で見たときに、制度をうまく活用して自立への道を支える第一歩になります。
保護者の方へ：デメリットはあるの？
「障害者手帳」という名称に、ネガティブな印象を持つ方もいらっしゃいます。 「将来に影響するのでは？」「レッテルを貼られるのでは？」と心配になるのは自然なことです。 しかし、実際には手帳を持つことで受けられる支援が増え、子供の成長を後押しできることの方が圧倒的に多いです。
進学や就職の際に、手帳の有無が直接的に不利になるケースは少なくなっています。
また、必要がなくなれば返却することもできますので、成長のステージに応じて柔軟に対応することが可能です。
まとめ：子供の生活を守る「安心のパスポート」
障害者手帳は、子供の生活や将来を支える大切なサポートアイテムです。 医療、教育、移動、福祉、そして将来に向けた準備まで、幅広い支援を受けることができます。 家庭の負担を軽くし、子供にとって安心して成長できる環境を整えるための「安心のパスポート」と言えるでしょう。
「手帳を取るべきか迷っている」「今はまだ早いかも…」という方は、まずはお住まいの市区町村の福祉窓口に相談してみることをおすすめします。 相談だけでもOKですし、具体的な制度の説明を聞くだけでも安心材料になりますよ。