「障がい者手帳を持っていると、いろんなところで割引がある」と聞いたことはありますか?
でも、手帳の『等級(とうきゅう)』によって、使えるサービスや割引の内容が違うんです。
このページでは、「交通」「病院」「税金(ぜいきん)」の3つにしぼって、等級によってどんなちがいがあるか、わかりやすく説明します。
等級ってなに?
障がい者手帳には等級があります。

たとえば、
- 身体障害者手帳は1級〜6級(1級が一番サポートが多い)
- 精神障害者手帳は1級〜3級
- 療育手帳(知的な障がい)では「重い」「中くらい」「軽い」などと分けられます。
数字が小さい、または「重い」とされた人ほど、たくさんのサポートや割引を受けられることが多いです。
ただし、制度によっては「誰でも使えるもの」や「2級以上じゃないと使えないもの」もあるので、全部が同じルールではありません。
だから、自分の手帳の種類と等級を知っておくことが大切です。
交通・病院・税金のサービスの違い
交通(電車・バス・タクシーなど)

電車やバスでは、障がい者手帳の等級によって割引の内容が変わります。
1級や2級の人は、多くの場合、本人だけでなく付き添いの人も一緒に割引を受けられます。
3級以下の人は、本人だけが割引になることが多く、なかには割引の対象外になることもあります。
また、精神障がい者保健福祉手帳は、すべての鉄道会社で使えるわけではありません。
まだ対応していない会社もあるので、事前に確認することが大切です。
タクシーの割引券は、市や町が配ってくれることがあります。
ただし、どの等級の人が使えるかは自治体によって違いがあります。
高速道路の割引を受けたい場合は、1級または2級の手帳を持っていて、なおかつ事前に登録する必要があります。
病院や医療のサポート
障がい者手帳を持っていると、病院や医療のサポートがいくつか受けられます。
まず、「自立支援医療制度」が使えることがあります。
これは、精神科の通院や、体の障がいを治すための手術などが安くなる制度です。
多くの場合、病院でかかるお金が1割負担になります。
精神障がいのある人は、通院や薬代が軽くなる「精神通院医療」があります。
身体に障がいがある人は、「更生医療(こうせいいりょう)」という制度で、目や耳、心臓などの手術が対象になることもあります。
子どもには「育成医療(いくせいいりょう)」という、障がいをよくするための医療支援があります。
また、「心身障害者医療費助成制度」という制度もあり、診察や薬代の自己負担がゼロになる自治体もあります。
どの制度が使えるか、どう申し込むかは住んでいる市区町村によって違うので、役所の窓口で相談してみましょう。
税金(ぜいきん)の割引
「障害者控除(こうじょ)」という、税金が少なくなる制度があります。
1級などの人は「特別障害者」として、ほかの人よりも多く税金が安くなります。
家族に障がいのある人がいる場合も、その人の等級によって税金の控除額が変わります。
さらに、自動車税や軽自動車税も安くなることがあります。
これは、障がいのある人の等級や、運転するのが本人か家族か、ということも関係しています。
車の使い方や持ち主の名前(名義)も関係してくるので、住んでいる都道府県の役所や窓口で聞いてみるとよいでしょう。
等級が変わったときに気をつけること

障がい者手帳は、更新や見直しで等級が変わることがあります。
等級が上がると、今まで使えなかった制度が使えるようになることがあります。
でも、等級が下がると、前は使えた割引が使えなくなることもあります。
また、等級が変わったら、交通機関や病院、税金の窓口などに変更を伝える必要がある場合もあるので、忘れないようにしましょう。
まとめ

障がい者手帳の等級によって、使える割引やサービスがかなり変わります。
とくに、交通や税金の制度では「1〜2級」が対象になることが多く、3級以下は対象外になることもあります。
市や町、制度によっても条件がちがうので、自分の等級で何が使えるか、こまめに調べることが大切です。
「知らなかった!」で損をしないように、制度をうまく使って、毎日の生活を少しでも楽にしていきましょう。
